前回、シェイクスピアの生涯を追ってみました。
今回は、シェイクスピアとともにビル・ゲイツ氏から、YouTuberになりたいと考える子供にどのように接すべきかを学んでいきましょう。
目次
シェイクスピア
経済的な成功
まず、シェイクスピアが、どうして経済的な成功を納めることができたのかについて考えていきます。
多くの読者は、シェイクスピアの劇作家としての優れた才能を挙げるかもしれません。しかし、劇作家としての才能だけで、経済的な成功したのではありません。
貧困の天才作曲家
フランス革命の時代の18世紀末、音楽史で並ぶことのない天才が活躍しました。モーツァルトとベートーヴェンです。
しかし、モーツァルトはギャンブルや浪費癖により貧困の陥っていきます。
ベートーヴェンも、協調性の欠如から、常にトラブルを起こし、生涯を貧困で過ごすことになったのです。
富裕層シェイクスピア
一方、シェイクスピアは富裕層として生涯を終えました。
その違いは、ビジネスマンとしての才能、つまりマネジメント能力の差によるのです。
億万長者
6つのタイプの『日本の金持ち』
本田健氏が著書『普通の人がこうして億万長者になった』で『日本の金持ち』を6つのタイプに分類しています。
1. ビジネスオーナー(27%)
2. 専門家(24%)
3. 会社役員(24%)
4. 相続(18%)
5. 不動産(2%)
6. アーティスト・スポーツ選手・芸能人(1%)
7. その他(4%)
アーティスト・スポーツ選手
6番目にあるアーティスト・スポーツ選手・芸能人は、たった1%に過ぎません。一見大金持ちに見えるスポーツ選手やアーティストは、ほんの一握りに過ぎないのです。
YouTuberや、劇作家、作曲家もアーティストに含まれることは言うまでもありません。
企業経営者
では、最も億万長者になりやすいタイプを見てみましょう。
1番が27%がビジネスオーナーです。
3番目の会社役員は24%です。
ビジネスオーナーも会社役員も企業経営者に他なりません。その両者で51%を超えているのです。
裕福になるためには、企業経営者となることが最も確実と言って過言ではないのです。その企業経営者としての能力とは、ビジネスのマネジメント力です。すなわち、裕福になるためには、マネジメント力を育成することがもっとも近道なのです。
経営者としてのシェイクスピア
そもそも、シェイクスピアは劇作家として財をなしたわけではありません。経営者として劇団をマネジメントすることによって富を築いたのです。
しかも、当時の劇団経営者は、現在よりも高いマネジメント力が必要とされていたのです。
シェイクスピアの時代はまだ著作権が確立していません。脚本が流出した場合に、他の劇団がその脚本を使ったとしても文句を言うことはできなかったのです。
劇団の監督でもあったシェイクスピアは、脚本が流出しないように、役者ごとに台本を用意し、個別に稽古を行いました。役者たちには、公演直前の通し稽古ではじめて芝居の全貌が伝えられたのです。
さらに、シェイクスピアは経営者として労務管理、財務管理のすべてをマネジメントしていたのです。
シェイクスピアが富を蓄積できた理由は、このような経営者としての優れたマネジメント力に他ならなかったのです。
マネジメント
マネジメント力
では、マネジメント力をどのように育成すればいいのでしょうか。
まずは基礎学力です。その上で、企業でマネジメントの経験を積むことが必要なのです。
インフルエンサーの妄言
現在、多くのインフルエンサーが、大学進学よりもオンラインサロンに参加し、ブロガーとなることを推奨しています。その代表が、イケヤハ氏や、はあちゅうさんです。
しかし、イケハヤ氏は早稲田大学を卒業し、半導体メーカーのルネサスに就職しています。はあちゅうさんも慶応大学を卒業後に電通へ就職しているのです。
大学進学のチャンスがある段階で、インフルエンサーに影響され大学入学を放棄すべきではありません。
マネジメントの育成
もちろん、シェイクスピアのように劇作家としても経営者としても天才的な才能を持つ人物もいます。
しかし、私たちのような凡庸な人間が力をつけるには、コツコツと努力してマネジメント力をつけるしかないのです。しかも、マネジメントについては努力により学ぶことができるのです。
マネジャーは育つべきものであって、生まれつきのものではない。したがって、明日のマネジャーの育成、確保、技能については体系的に取り組まなければならない。
ドラッカー『マネジメント』
マネジメントのための基礎学力
アメリカの著名な経営学者ミンツバーグの著書『MBAが会社を滅ぼす』からイラストを引用してみましょう。
イラストにある根の部分に、数学や歴史学、社会学等が記されています。それが、マネジメントのための基礎学力です。すなわち、大学受験のための入試科目に他なりません。
YouTuberとして成功したいなら、学業をおろそかにすべきではないのです。
マネジメントの経験
さらに、イラストにはIT、財務、マーケティングのような枝があります。その枝がマネジメントという幹によって束ねれれているのです。すなわち、ITや会計の専門知識がマネジメントによって収益となるのです。
そのマネジメント力を高めるには、企業へ就職し経験を積むことがもっとも確実です。そのためには新卒カードを切って企業に就職することです。
YouTuberを束ねる鎌田和樹CEO
しかも、たとえYouTuberの才能の恵まれなくとも、マネジメント力を育成することでYouTuberを支援するビジネスマンとして活躍することは可能なのです。
UUUMを創業した鎌田和樹CEOもそのようなビジネスマンの一人です。現在、UUUMは多くの著名YouTuberを抱え、2017年8月に東証マザーズに上場を果たしました。
バスケットボールに革命をもたらしたベンチャーキャピタリスト
YouTuberだけでなく、スポーツ選手についても同様です。
以前、アメリカのベンチャーキャピタリストであるレイコブ氏を紹介しました。
レイコブ氏は、NBAのお荷物ともいわれた弱小チーム・ウォリアーズを買収し、最強チームを創り上げました。レイコブ氏は、バスケットボール選手になる夢はかなわなかったものの、優れたマネジメント力でバスケットボールに革命をもたらしたのす。
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ベンチャーキャピタリストによるNBA革命【弱小チームを史上最強チームに変貌させた手腕】
今回は優れたベンチャーキャピタリストの手腕をみてみましょう。 ベンチャーキャピタリストの手法は極めてグロース投資に偏った手法です。 私の投資スタイルであるバリュー投資とインデックス投資と ...
ビル・ゲイツ
高校生がYouTuberとなる意義
では、高校生に対して、学業に専念するためにYouTuberの活動を禁止すべきでしょうか。
結論としては、禁止すべきではありません。
そもそも、高校生が素直に親の言うことを聞くはずがありません。禁止できたとしても、学業に身が入らなくなるだけです。
さらに、YouTuberとしての経験なしに、YouTube市場でマネジメントを行うことは不可能なのです。
新卒で就職し、マネジメント力の経験を積んだとしても、YouTuberとしての経験が無いなら、市場で優れたマネジメントを行うことはできません。高校生からクラブ活動のようにYouTuberとしての経験を積んでいるマネジャーとは埋められない差がついているのです。
急成長するYouTuberのようなネット動画市場で的確なマネジメントを行うことのできる人材は、今後絶対に必要とされるのです。そのとき、YouTuberとしての経験が成否を分けることになるのです。
コンピュータ・オタクのゲイツ少年
ビル・ゲイツ氏を参考にしてみましょう。言うまでもなく、長年世界一の大富豪であったマイクロソフト創業者です。
ビル・ゲイツ氏のITとの出会いは、中学校にコンピューターが導入されたことから始まります。
ゲイツ少年は、このコンピューターの虜になっていきます。時には、授業をサボってコンピューター室に入り浸ることもあり、プログラミングも独力でマスターしてったのです。
しかし、当時は、コンピューター少年は、引きこもりのオタクとのイメージもつきまとっていました。学業そっちのけで、コンピューターのプログラミングに夢中になるゲイツ少年に両親は心配であったことは容易に想像できます。
現在のYouTuberの置かれている状況と同様です。
マイクロソフト創業メンバーの写真を、再度下記に添付してみます。いかにも浮世離れしたコンピューターオタクの集まりといった雰囲気です。とても、東海岸のネクタイを締めたビジネスマンからは相手にされそうにもありません。
マイクロソフト創業
結局は、ゲイツ氏は学業にも力を入れ、ハーバード大学に入学します。しかし、入学後は授業にはほとんど出ないでコンピュータに没頭します。さらに、コンピューターのソフトウエアを作成し、収入も得るようになっていくのです。
その後大学を中退し、20歳でマイクロソフト社を創業します。
もしも、ビル・ゲイツ氏が、コンピューターに夢中になることがなく、学業のみに専念していればどうだったでしょうか。少なくとも、現在のマイクロソフトが無かったことは明らかです。
いかにビル・ゲイツ氏に優れたマネジメント能力があってもコンピューターの知識なしに、マイクロソフト社の創業は不可能だったのです。
同様に、YouTuberとしての経験なしに、動画市場でのマネジメントも不可能なのです。
結論
子供がYouTuberになりたいと言えばどうすればいいのか、もう一度整理をしてみましょう。
YouTuberとして成功を続けるにはマネジメント力が不可欠です。それを、シェイクスピア人生から学びました。
そのためには学業をおろそかにせず、さらに企業に就職しマネジメント力を養うことがもっとも確実であることを教えることが重要なのです。
さらに、YouTuberとしての活動を禁止するよりも、むしろ挑戦した方が将来につながるのです。それを、ビル・ゲイツ氏の成功から学びました。
今後急成長するネット動画市場の理解を深める機会をあえて手放す必要はありません。
時間を決めて、保護者の監督のもとで、クラブ活動のようにYouTuberとして挑戦をすることです。そのようにして、ネット動画市場で優れたマネジメント力を発揮するための経験が養われるのことになるのです。
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