長期投資の利点として『複利』効果があります。
あのアインシュタインは、『数学の上でもっとも偉大な発見の1つは、複利の発見である』と言っています。
かのロスチャイルドも『世界の七不思議は?』と聞かれたときに、『それはわからないが、8番目の不思議は複利であるということは確かだ』と答えています。
目次
複利とは
では『複利』とは何でしょうか。『複利』とは、元本から得られた利息を元本にくわえ、その新たな元本に対しても利息がつくことです。
『複利』に対すして『単利』があります。では、『単利』とは何でしょうか。『単利』とは、元本だけに利息がつくことです。
定義を聞いてもなかなかピンこないと思います。論より証拠。具体的な数字で増え方を見てみましょう。
複利でのネズミの増え方と単利でのネズミの増え方を比べてみましょう。
まず、お正月に雄雌2匹のネズミがいます。
複利の増え方の場合と考えます。毎月雄雌2匹のネズミを産むとします。生まれたネズミも毎月雄雌2匹のネズミを生んでいきます。
次に単利のネズミの増え方を考えます。毎月2匹のねずみが単純に増えることになります。
単利でのネズミの数 | 複利でのネズミの数 | |
1月 | 2 | 2 |
2月 | 4 | 4 |
3月 | 6 | 8 |
4月 | 8 | 16 |
5月 | 10 | 32 |
6月 | 12 | 64 |
7月 | 14 | 128 |
8月 | 16 | 256 |
9月 | 18 | 512 |
10月 | 20 | 1024 |
11月 | 22 | 2048 |
12月 | 24 | 4096 |
みなさんもう気がついたと思います。『複利』は子供のころに一度は話題にしたことのあるネズミ算なのです。対する『単利』は単なる足し算です。
『単利』と比較すると『複利』の凄まじさがわかります。『複利』では最初のうちは『単利』と変わらないものの、時間が経過するに従って大きな差がついてくるのです。
単利と複利の増え方
ただし。ネズミの例は、1ヶ月で100%というあり得ないリターンです。
株式投資でそのようなリターンがあるはずありません。現実的な数値で単利と複利を比較してみましょう。
100万円を5%の単利と5%の複利で40年かけて増やした場合で比較してみましょう。
単利では300万円であるのが、複利では700万円以上になっています。
アメリカのインデックスの指標であるS&P 500の平均利回りは8%です。それでは、100万円を8%の利回りで40年間運用すればどれぐらい資産が増えるのでしょうか。複利と単利で比べてみます。
単利では400万円少しです。複利では何と2000万円を超える額となっています。
時間が経過すればするほど、凄まじい増え方をしていることがおわかりいただけると思います。
『複利』のための2つのこと
では、株式投資で複利効果を高めるためにはどうすればいいでしょか。大切なことが2点あります。
長期に投資をすること
まず、複利効果を高めるためには長期投資が必要です。運用期間が長いほど、複利による効果は大きくなるからです。複利の効果はすぐに実感することはできません。長期投資をすることで「時間を味方につけること」ができるのです。
だからこそ、短期売買をしないで、長期投資が必要です。つまり、バイアンドホールドでとにかく市場に続けることが大切なのです。
早く投資を開始すること
次に複利効果を高めるためには、できるだけ早く投資を始めることも必要です。少しでも投資を早く開始する時期すれば、投資期間も長くなるからです。
まだ若いときは、まとまった資金がないと投資を始めることができないと考えがちです。しかし、投資を開始する時期が遅くなると、投資期間が短くなってしまいます。少しでも投資期間が長い方が、複利の効果が高くなります。たとえ少額でも早くから投資する方が有利です。
もちろん。若い時にもっとも大切な投資は自己投資です。株式投資に時間を費やすことは好ましくありません。そのために、定額をコストの安いインデックスファンドに積み立てをすればいいのです。あとは何もする必要がありません。ほったらかしで十分です。むしろ、ほったらかしにすべきです。
バフェット氏の資産の推移
世界的に有名な投資家バフェット氏も複利の持つ力を理解し実践しています。バフェット氏は、永続的に利益を増やしている企業に投資し、その企業の株式をほぼ永久に保有し続けることによって資産を築いてきました。それは、保有している株を永久に保有することで複利の効果が大きくなるからです。
また、バフェット氏は、たとえ少額でも早くから投資することを薦めています。これはバフェット氏が早く投資を始めた方が複利の効果も大きくなることを深く理解しているからです。
実際のバフェット氏の資産のほとんどは60歳以降に形成されたものです。バフェット氏の資産の推移をグラフにしてみました。便宜上1ドル100円換算でしています。
60歳時点で38億ドル(当時1ドル140円で5300億円)でした。現在87歳のバフェット氏の資産額は785億ドル(8兆6000億円 1ドル110円)にものぼります。高齢にさしかかったところで、複利のとてつもない効果が表れているのです。
株式市場では、気が滅入るような暴落が常にあります。そのような暴落があってもあえてその時に買い増しをして、株式市場にいつづけることが大切なのです。いつしか、その忍耐は、引退するころには大きな複利の果実をもたらしてくれることでしょう。
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