長期投資には経済予想は必要ありません。
株式市場が株高の幸福感で浮かれていようとも、暴落後で悲観に打ちのめされていようとも関係ありません。
長期投資家は、以下の3つを淡々と行えばいいのです。
1.優良な企業の株式やETFを適切な価格で買う。
2.購入した株式とETFは永久に保有する。
3.配当は再投資して株数を増やす。
この3つのスタンスこそ、長期投資家としてもっとも推奨されるの基本姿勢なのです。
株式投資の極意とは、素晴らしい企業を適切な価格で買い、素晴らしい企業である限りそれを持ち続けること。これに尽きます。
ウォーレン・バフェット
その長期投資家の3つの姿勢は、バフェット氏のスタンスとなんら変わるところはありません。
株式市場での利益を上げるためには、永久的にマーケットにとどまることが必要です。マーケットに永久的にとどまることによって株式投資のメリットである複利の利益を享受できるのです。
目次
暴落での売却しないこと
株式市場は時に気の滅入るような暴落を引き起こすことがあります。そのような暴落の中では、短期で大きな利益を上げようとしていた投機家は蒼白となり手持ちの株を売却してしまうのです。
そのような投機家は、株式市場が落ち着けば、買い直そうと考えるものです。しかし、実際に買い直そうと思ったときには、投げた値よりも大きく値が回復してしまっているものなのです。その結果、買い直す機会を失ってしまい、株式市場から大きな利益を得るチャンスを逃してしまうのです。
株価が大幅に上昇したすぐ後には絶対に株を買ってはならない。また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない。
『賢明なる投資家』ベンジャミン・グレアム著
そもそも、長期投資家にとっては暴落とはまたとないチャンスに他なりません。
いくら株式市場が暴落しようとも、ビールやウイスキーの消費がなくなるでしょうか。女性が化粧品を使うことをやめるでしょうか。糖尿病の患者がインシュリンの注射を止めるでしょうか。
そんなことあるはずがありません。
長期投資家は、暴落時にそのような永久に人々から必要とされる企業の株を丹念に拾っていけばいいのです。もちろん、いつ底を形成するかは誰にもわかりません。底を当てることは不可能なのです。当然、買った後、さらに下落することもあるでしょう。しかし、その場合は買い増しをして、購入単価より低くしていけばいいのです。人々から必要とされる企業は必ず利益を上げていきます。そして株価も再度上昇していくのです。
一旦売却をして見極めてから再度安いところで購入するのではどうかと思われるかもしれません。しかしそのような方法はほとんど失敗すると考えて間違いありません。投げてしまって株価よりもさらに安くで買おうとしても買いそびれてしうことがほとんどです。もしくは、もっと安くなるかもしれないとの恐怖感で結局買えないままになってしまうのです。
暴落を待つことの是非
では、暴落を長期間にわたって待ち続けるべきなのでしょうか。
確かに、リーマンショックのような暴落で買えるなら、それは株を買うには最高の機会と考えていいでしょう。しかし、そのような暴落を待ち続けたとしても、ほとんどの投資家は、いざ暴落が来れば恐怖感でおじけづいて買うことができないのです。
あるいは、暴落が来ないでそのまま株価が上昇していき、同じ額で買える機会が永久に来ないかもしれません。そのようにして、暴落まで待つ間に、大きな機会を損失してしまうのです。
1990年に2000ドル台であったダウ平均は、2000年には10000ドルをつけました。その10年間に暴落らしい暴落を経ずに急激に上昇したのです。もしもそのときに暴落になるまでは一切の株式の買い付けを行わないでいたならば、10年もの長期間にわたり大きな機会を損失したことになったはずです。
昔ながらの、つまり明白な弱気相場が訪れるまでは一切の株式買い付けを行わないという方式を基本に据えようとすることは、非現実的な試みに思える。
『賢明なる投資家』ベンジャミン・グレアム著
バフェットはリーマンショック前であっても多くの優良株その時に購入していました。適切な価格つまり企業価値よりも株価の安い優良株があれば購入していたのです。だからこそバフェットは適切な価格と表現しているのです。決して暴落のバーゲンセールで買う必要はないのです。
10年に1回程度のリーマンショックを待っていれば多くの機会を逃してしまいます。確かに、リーマンショックのような暴落に備えて、株高の場合はある程度のキャッシュを残すことも必要です。しかし、優良企業がある程度適切な価格になれば、購入を検討することも大切です。もしも、その直後に暴落が起こったとしても、競争力のある企業はいち早く暴落から回復していくものなのです。
買った株を永久に保有すること
優良な企業の株を購入すれば、その株をほぼ永久的に保有していくことが必要です。競争力のある企業が、その競争力を保持している限りその株は永久に売り時は無いのです。
アルコールは今後も必要とされることでしょう。化粧品が今後無くなることはないでしょう。糖尿病は無くなってインスリンが使われなくなることもあり得ません。
そのような商品が永続的に人々に必要とされる以上、当然にその企業は永続的に利益を出し続け行くのです。
その企業の利益は、配当として株主に還元されます。長期投資家は、その配当をこまめに再投資することで株数を増やしていくことがでるのです。
確かに1年程度の配当再投資では、2、3%程度の割合が増えるだけかもしれません。しかし株式は複利で増えていきます。最初は少額であったとしても、時間の経過とともにねずみ算的な増え方をするのです。
そのようにして、長期投資家は、ゆっくりとしかし確実に資産を増やすことができるのです。
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