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配当王のダウの盟主スリーエム(MMM)【株価暴落での投資方針】

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今回、ダウ平均30銘柄であるスリーエム(MMM)を紹介していきましょう。

スリーエム(MMM)は、61年連続増配という株主還元に極めて積極的な企業として知られています。

しかし、資本財セクターに属することから、景気に敏感な企業とも考えられています。中国経済の鈍化、そして世界がリセッションの入り口に立っていることから、2019年第一四半期決算で売上高の低下が発表され、株価は大きく下落しました。

今後、MMMへの投資はどのような方針で臨めばいいでしょうか。

スリーエム(MMM)

創業

MMMの創業は、1902年にさかのぼります。クリスタルベイ鉱山からコランダムという鉱物を収穫することから始まりました。コランダムとは、酸化アルミニウムの結晶で、アルミニウムの原料となるだけでなく、宝石や腕時計、研磨剤としても使われます。

コランダムの小規模鉱山から始まったスリーエムは、その後にさまざな領域へ進出していくことになります。117年が経過し、3Mは世界最大の産業コングロマリットの1つに成長しました。

事業の概要

現在、スリーエム(MMM)は9万人以上の従業員を擁し、200カ国以上の国々で事業を展開しています。売上高の地理的分布は、米国内が4割、アジア太平洋は3割、欧州アフリカ中東が2割となっています。

製品やサービスも、ナノテクノロジーからセラミックス、そしてポストイットまで60,000を超えるほどに多岐に渡っています。

しかし、そのような多様な事業も、5つのカテゴリーに分けることができます。

①産業部門      (総収入の35%)
②セキュリティ部門  (総収益の20%)
③ヘルスケア部門   (総収入の18%)
④電子・エネルギー部門(総収入の14%)
⑤一般消費者部門   (総収入の13%)

①の産業部門では、研磨剤、接着剤、セラミック、サプライチェーン管理ソフトウェアなどを提供しています。対象となる産業は、自動車、飲料、食品、建設と私たちの生活の隅々に及んでいます。

②のセキュリティ部門では、防塵マスクや転倒防止器具のような個人用保護具。さらに、道路標識やナンバプレートのような交通安全用製品も製造しています。

③のヘルスケア部門は、医療用や歯科の製品、ドラッグデリバリーシステム、データシステムを提供しています。医師や看護師が使用するリットマン聴診器も製造しています。

④の電子エネルギー部門は、タッチスクリーン、再生可能エネルギー製品や、石油精製製品も製造しています。

⑤のコンシューマ部門は、事務用品、ホームセンター、防護資材、文房具を販売しています。

スリーエム(MMM)の優位性

現況

現在、中国経済が成長鈍化し、世界がリセッションの入り口に立っていると言われています。そのような場合に、企業は新規の設備投資を減らしていきます。

そのため、2019年第一四半期決算でMMMの売上げは5%もの減少に見舞われたことが発表されました。

今後、リセッションが本格化した場合、MMMは苦境を乗り切ることができるのでしょうか。

本来なら、ダウの盟主MMMが、リセッションで衰退するとはありません。しかし、現在、工業社会から情報社会へと移行しつつあります。その象徴的な出来事が、GEの衰退といっていいかもしれません。

GEの二の舞となるリスク

20年前に世界最強企業といわれた資本財の雄GE。現在そのGEは苦境に陥っています。同じ資本財セクターに属するMMMも衰退に直面することが懸念されています。

しかし、MMMがGEの二の舞とはなることはないでしょう。

GEの苦境は産業構造の変化のみならず、ウェルチCEO時代に金融へとシフトしたことが理由に挙げられます。

ウェルチ氏とは、1980年から2001年にかけてGEを率いた伝説的な経営者です。10人に1人は解雇するという過酷な合理化や、絶え間ないM&AによりGEを世界最強企業へと押し上げました。しかし、保険やノンバンク、電子決済にも進出し、利益の4割弱が金融という企業へと変貌したのです。

その金融部門が、リーマンショックによって直撃されることになります。

さらに、ウェルチ時代に買収した保険会社の債務が2017年からの財務悪化を引き起こし、GEの解体とつながったのです。

もしもGEが製造業に専念していたなら、20年前に最強企業として世界の頂点に立つことは無かったかもしれません。しかし、現在の苦境も無かった筈です。

MMMも多くの企業買収や売却を行っています。しかし、それは、製造業やソフトウェアサービのように本業から逸脱しない企業に限られているのです。GEにように不況で金融部門が壊滅的打撃を受けるようなことはないでしょう。

安定性

MMMの優位性として、商品やサービスが消耗性のあることもあげられます。研磨剤や接着剤のような製品は消耗性があることから、短期間で買い換え需要が発生します。そのため、安定したキャッシュフローが生み出されるのです。買い換え需要は、不況時であっても耐えることはありません。そのため、MMMのビジネスモデルには強い不況耐性が備わっているのです。

競争優位性

もちろん、発注先の企業がコスト削減のためにMMM製品よりも安い研磨剤や接着剤を使用することもあり得るかもしれません。

しかし、その場合に発注企業は、コスト削減には見合わないリスクに直面することになるのです。自動車の溶接で安い信頼性が低い製品に代えることで、部品が外れやすくなったとしましょう。大きな事故につながることは言うまでもありません。その場合に、巨額の賠償リスクを負うことは疑いありません。それだけでなく、企業のブランドも崩壊し、存続の危機となることもありえるのです。

建設現場での溶接や医療でのセラミックも同様です。長期的な実績のあるMMM製品を使用することで、そのようなリスクを排除することができるのです。

たしかに、MMMの製品はプレミアがついているために、安くはありません。しかし、リスクを減らすためには、信頼性の高いMMM製品を使わざるえないのです。そこから、MMMには強い競争力優位性が生じ、価格決定力が保持されるのです。

研究開発費

MMMは、製品の高い信頼性から競争優位性を保持しています。そのような信頼性からMMM製品にプレミア価格が許容されています。取引企業はプレミアのついたMMM製品を購入せざるえないのです。

そのような高い競争力は、絶え間ない研究開発から生じています。不況時であっても、絶えず研究開発費が投じられ、競争優位性が確保しているのです。

その結果、各事業セグメントで高い利益率を生み出されています。

大不況時の耐性

高いプレミア価格とともに、消耗品であるため常に需要があることから、MMMの製品には、大不況時に対する強い耐性があります。

2007年から2010年にかけての一株あたりの利益を見てみましょう。

2007年の1株あたり利益は5.60ドル
2008年の1株あたり利益は4.89ドル
2009年の1株あたり利益は4.52ドル
2010年の1株あたりの利益は5.75ドル

確かに 1株当たり利益は、2007年から2009年にかけて19%減少しました。しかし、リーマンショック時に利益を出すことすらできなかった多くの資本財企業と比較するなら、その不況耐性は脅威的と言うほかありません。

しかも、3Mは不況からいち早く回復し、一株当たり利益は、2010年に最高水準に達しました。

ファイナンス

売上高

売上高の推移を見てみましょう。常に需要のある消耗品であることから、不況時でも安定した売上げが推移しています。

キャッシュフロー

営業キャッシュフローの売上高との比率を見てみましょう。常に20%を超えています。3Mが高い競争優位性を保持していることを意味しています。3Mに価格決定力があることの何よりの証拠です。

配当

安定した売上げと高い利益率から、MMMは続増配61年という株主還元の記録を保有しています。しかも、2018年の配当性向は56%であり、増配余地は十分にあります。

しかも、MMMは優れたれた不況耐性のビジネスモデルを形成しています。今後も安定して増配されることが予想されます。

結論

現在、MMMの配当は3.41%と高い利回りに達しています。配当王であるMMMが3%を超える利回りで取引されていることは極めて稀と言っても差し支えありません。

しかも、PERは17台です。2000年以来の平均PERである18を下回っているのです。現在の株価は適正価格と言っていいでしょう。購入を検討する機会と言うほかありません。

もちろん、今後、リセッションでさらなる株価の下落が起こるかもしれません。そのリスクを緩和するためには、少額ずつを期間を分けて投資することが大切でしょう。

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