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【ハーゲンダッツを保有する巨大食品企業】ゼネラルミルズ(GIS)

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アメリカの巨大食費企業ゼネラルミルズ(GIS)。

日本ではなじみがない企業かもしれません。しかし、GISを知らない投資家もハーゲンダッツ、とんがりコーンを知らない方はほとんどいないのではないでしょうか。

ハーゲンダッツ、とんがりコーンのブランドを保有している企業こそ、長年アメリカ人に愛され続けた巨大食品企業ジェネラルミルズ(GIS)なのです。 今回、そのゼネラルミルズ(GIS)を紹介していきましょう。

ゼネラルミルズ(GIS)

株価の下落と、高配当

ゼネラルミルズ(GIS)の株価は3年前の72ドルをピークに30%も下落し、現在4年ぶりの安値圏で取引されています。

その原因は、嗜好の変化による売上げ低下、原材料費の高騰、金利の上昇に加え、買収による負債の増加があげられます。

しかし、株価下落により株式の配当利回りは4.3%となり、10年ぶりの最高水準となっているのです。そもそも、ゼネラルミルズへは配当目的の投資家が多く、値下がり時期こそ配当再投資のチャンスなのです。

沿革

ゼネラルミルズ(GIS)は1856年にミネソタ州ミネアポリスで設立された製粉会社にその源流をたどることができます。

1928年にその製粉会社を中核とした28の食品会社が合併することでゼネラルミルズ(GIS)が設立されました。翌年1929年に上場し、それ以降一度たりとも配当を減らすことなく現在に至っています。

GISは現在、世界各地に3万8000人以上の従業員を雇用し、世界100カ国以上で事業を展開しています。そのうち北米での売上高が65%を占めています。

主な商品はシリアル、スナック菓子、ヨーグルト、アイスクリームなどの消費者向け食品であり、そのブランド力はきわめて強力です。もはやアメリカでは、誰もが知っている企業といっても過言ではありません。

事業の概要

事業は6つのポートフォリオに分けることができます。

スナック菓子:21%
シリアル:17%
食事用パッケージ食品:17%
ヨーグルト:15%
アイスクリーム:5%
その他:25%

スナック菓子では、日本では、ハウス食品と共同開発した『とんがりコーン』が知られています。アメリカでは、Buglesというブランド名で販売されています。その他にも米国内での強いブランドを保有しています。

シリアルについては、日本で販売されていないために馴染みがないかもしれません。米国内では、ケロッグについて第2位のシェアを誇っていいます。現在、米国内でのシリアルのシェアはケロッグが29%、GISが27%とまさにケロッグと首位を競い合っているのです。オーツ麦のシリアルであるCheeriosが主力ブランドです。

食事用のパッケージフードは、タコス食品であるOld El Pasoや、パスタのHamburger Helperがあります。

ヨーグルトではYoplaitが主力ブランドです。

アイスクリーム部門でのHägen-Dazs(アイスクリーム)が有名なブランドです。日本ではサントリーにライセンスされています。

その他の部門では、ビスケットやクッキーの生地や、冷凍野菜を販売しています。

ミレミアム世代による嗜好の変化と、売上減の底入れ

長年にわたり印象的な成長を遂げたGISは、過去5年間にわたり売上高が停滞しています。それは、ミレミアム世代の嗜好が従来の世代と大きくことなることによります。

ミレミアム世代とは、1980年から2000年初頭に生まれた世代です。その世代は加工食品よりも生鮮食品を好みます。清涼飲料水についても炭酸飲料よりも果汁飲料を好みます。加工されたハムよりも値段が高くても新鮮な肉を好みます。 このようなミレミアム世代の嗜好の変化から、従来の大手食品企業のパッケージ食品の売れ行きが停滞しているのです。

しかし、2018年第3四半期では、GISのほとんどのブランドでシェアが前年同期にくらべ上昇し、底入れが確認されました。

ただし、ヨーグルトのみシェアが下落しています。

苦境のヨーグルト

GISがもっとも苦境の陥っている部門はヨーグルト部門です。

以前GISのヨーグルト部門は米国内でトップシェアを誇っていました。

しかし、ヨーグルト部門は2017年には20%も売上が激減しているのです。それは消費者の嗜好に合致したギリシャヨーグルトが市場を席巻しつつあることによります。 10年前ほとんど知られていなかったギリシャヨーグルトは、その優れた食感、風味、栄養価のおかげで急激に市場を拡大しています。その開発企業は2005年創業の新興企業Chobani(チョバニ)です。2008年にはヨーグルト市場で2%に過ぎなかったギリシャヨーグルトは、現在40%ものシェアをヨーグルト市場で占めるまでになっているのです。

日本でも森永乳業は、アメリカでのギリシャヨーグルトの広がりにいち早く気づきました。そこから森永乳業は開発を開始し、2011年にギリシャヨーグルトのブランドである『パルテノ』を投入したのです。その的確な対応から、日本市場を押さえることに成功しました。

しかし、ゼネラルミルズ(GIS)はこの嗜好の変化に完全に出遅れました。GISは現在、自社のギリシャのヨーグルトを介して失われた地位を埋めようとしていますが、市場シェアを引き出すためにはまだまだ遠い道のりがあります。 アメリカ市場の変化をいち早くキャッチし日本市場を押さえた森永乳業に比べ、GISは動きの遅い大企業病にかかりつつある懸念を感じないわけにはいきません。

売り場の変化

現在、ウォルマート(WMT)やターゲット(TGT)などの大型小売業者は価格戦争に陥っており、GISをはじめとするサプライヤーに値下げ圧力をかけています。このために、GISは、伝統的な小売店では、特にシリアル、食事用パッケージ食品、およびヨーグルトで苦戦を余儀なくされています。

さらに、消費者がより価格に敏感になるにつれて、プライベートラベル製品は人気を得ており、GISへの値下げ圧力がより強まっています。

しかし、GISは2018年には北米コンビニエンスストア部門の売上高を3%増やし、19億3,000万ドルとなっています。北米コンビニエンスストア部門では依然として好調であり、 さらに新製品を投入することで、成長を続けています。

国際的な成長

国際的にも成長を続けています。GISには、2018年にはヨーロッパとオーストラリアで2%の売上増加がもたらされれました。

成長戦略

コスト削減

最近まで、GISの経営陣は経費を削減することに注視していました。そのために、売上高が減少しているにもかかわらず、利益については改善を認めました。

しかし、コスト削減には限界があります。現在、経営陣はブランドを利益率の高いポートフォリオに入れ替えることで、売上高および利益率を改善させる方向にシフトしています。

ポートフォリオ入れ替えによる成長戦略

幸運なことに、GISは強力なブランドを多数保有しています。そのような強力な製品ポートフォリオを残し、衰退しているブランドは売却することで、売上高の成長をもたらすことを志向してるのです。 さらに、成長性の低いブランドを売却するだけでなく、成長の可能性のある買収に投資することが不可欠となっています。

今回、その買収の軌跡を振り返ってみましょう。

Annie社の買収

近年、消費者の健康意識が顕著になるにつれて、有機製品の販売は急速に伸びています。

2014年後半にGISは、Annie社の買収に成功しました。Annie社は有機食品製造の成長企業でした。その買収により、GISは有機食品のトップ企業としての足場を固めることができたのです。

ミレミアム世代に強い支持のあるAnnieの売上は、2014年後半のGISによる買収以来、倍増しています。さらに、2019年にはGISの有機食品市場での年間売上高が1億ドルに達すると予測されています。

Blue Buffalo社の買収

GISは、2018年2月にはBlue Buffalo社の買収を発表しました。Blue Buffalo社は、ペットフードの製造販売企業です。その製品の特色は、人工的な添加物を加えず、有機食品によるペットフードに専念していることです。

GISの時価総額は28.7億ドルです。その時価総額の企業が、Blue Buffalo買収するために8億ドルを提示したとき、市場は動揺し、大幅な下落を引き起こしました。

しかし、Blue Buffaloは非常に強いブランドであり、過去10年間に平均年率5%で成長しています。 さらに、その減速の兆候は示されていないのです。成長性をみる限り、今回の買収はGISの収益に大きく貢献するといっていいでしょう。アメリカ人のほとんどの家庭には、室内犬が飼われています。日本よりもペット市場ははるかに巨大なのです。同業の米国大手食品企業JMスマッカーも2015年に大手ペットフード企業を60億ドルで買収しています。

しかし、ペットフード企業はポートフォリオとしては異質と考えられます。問題点は、格差が拡大しつつある現在、どこまでペット市場の拡大が続くのか、さらに、今後の不況に陥った場合での市場がどこまで縮小するのかです。今後を注視する必要があります。

ファイナンス

売上高・キャッシュフロー・純利益

売上高、キャッシュフロー、純利益のグラフを見てみましょう。 ゼネラルミルズは過去5年間で売上は低下しています。しかし、利益は減ってもいなのです。コスト削減の効果が認められます。

さらに、売上高と営業キャッシュフロー比も15%を確保されています。ブランド力が健在であることを示しています。

配当

現在、GISの経営陣は買収により悪化した財務状態を改善するために、自社株買いの中止を発表しています。

しかし、年間配当については維持することを決定しています。

GISは、連続増配記録については14年しかありません。しかし、118年連続して配当を減らしていないという驚異的な配当実績を有しているのです。しかも、その配当利回りは最近の10年以上で最高となる4%超えるまで上昇しています。

自社株買いの中止で株価の上昇が限られる今だからこそ、4%もの利回りを活用して、地道な配当再投資を行うことが可能となるのです。

結論

配当再投資を地道に続けるにあたり、株価が割高になっていないことが重要です。現在の株価のバリュエーションを確認してみましょう。

3年前の2015年は、GISの株価はゼロ金利のためにPERは実に30.2との高いバリュエーションにまで到達してました。しかし、当時に比べ株価が30%下落したことは、現在の株価が魅力的な水準にまで割安になったことを意味します。実際に、PERは16台にまで下がっています。 PERが長期間にわたってそれ以上に大幅に下回る可能性は低いと考えていいでしょう。現在の価格はエントリーポイントとして合理的な水準と判断することができます。

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